車のコンピュータ基板修理(後編)

コンピュータ基板修理作業

作業1 BGAリボール

BGAリボール

 

 前回に引き続き車のコンピュータ基板の修理です。

 今回は実際の作業のご紹介です。 

 

 

 まず、取り外されていたBGAの半田残滓を除去し、リボールします

 

 1.0mmピッチ、416ピンのBGAです。

 

 これは良くあるBGAですので難なく作業は終了です。

 

作業2 ジャンパ配線

 

 配線③の作成です。

 

 使用する配線は潤工社のジュンフロン線。

 被覆が厚く信頼性が高いわりに線が柔らかく扱いやすいのが特徴です。

 工房やまだでは好んで使用しています。

 

 ビアからビアへのジャンパ配線ですが、別の業者さんのところでビア表面を削り取ってしまっている為少し不恰好になってしまいました。

 

 ビアに線を入れて基板両面から半田付けして強度を確保しています。

 

作業3 BGAからのジャンパ配線

 

 工房やまだではBGAジャンパは得意な作業の一つです。

 

 得意と言うよりも、

 BGAリワークをやっている他の会社でも

 なかなか出来ない「売り」でしょうか。

 

 工房やまだのジャンパ配線では、

 まずジュンフロン線を使用します。

 

 ジュンフロン線は強いので多少引っ張ったり曲げたりしても中の線が露出しないので

 ショート等の心配も少ないですよ。

 

 

 

 配線①、②、④の3箇所をそれぞれ配線します。

 

 BGAの裏側は基板のパットと鏡あわせになっているので注意ですね。

 

作業4 ジャンパ配線したBGAの実装

 

 さて、苦労してジャンパ配線したBGAを基板に実装します。

 

 この工程は社外秘の塊です!

 

 アナログ的な作業を要求されるBGA実装ですが、細かく作業を公開してしまうと仕事が無くなってしまいますのでお出しできません。

 

 内容としては最近の記事ですとこの辺りに詳しく載せています。

 

BGAジャンパ配線

 

 

作業5 配線のボンド付け

配線後ボンドで固定

 

 BGAから出したジャンパ配線をそれぞれ処理します。

 

 配線①はコンデンサのパットに接続

 配線②は未使用の為絶縁テープで保護

 配線④はビアに接続

 

 以上をした後それぞれの配線をボンドで固定します。

 

結果

コンピュータ基板 修復結果

 

 外観はなかなか綺麗に出来ました!

 

 それで肝心の中身はどうでしょう。

 

X線写真

BGAジャンパ配線 X線結果1
左上-クリックで拡大
BGAジャンパ配線 X線結果2
右上-クリックで拡大

 

 お分かりになりますでしょうか?

 

 規則的に並んだ黒い丸がBGAと基板を繋いでいる半田ボールです。

 

 左上のX線写真ではその半田ボールの一番上の段の左から6番目とその下の2つの半田ボールからジャンパ配線を引き出しています。

 

 ジャンパ配線が繋がっている為少し形状が丸ではなくゆがんでいますが、そこから線が1本ずつ出ているのが分かると思います。

 

 右上のX線写真では一番右の列の上から4段目の半田ボールからジャンパ配線を引き出しています。

 線が出ているのが分かると思います。

 

実際の動作は?

 

 さて一番重要なのはお客様にお返しして期待通りの動きが出来たかどうかですよね。

 

 今回の件では数日後に無事正常に動いたとのご連絡を頂きました。

 

 作業にBGAが絡むと半田の1ピン1ピン目視検査することが出来ないので、

 

 正常に起動したかのご連絡を頂くまでヒヤヒヤして待っておりますが

 

 その分、お喜び頂けると非常に嬉しいですね!

 

 

 このようなプリント基板の修理、改造のご依頼は

 

 工房やまだまで!

 

 BGA部品があっても短納期!低価格が売りです!

 

 自動車ECU修理注意事項のページをご覧になりお問い合わせ下さい。 

 

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