事例紹介:QFNのブリッジ修正

 

 これまで数週にわたりBGAの改造についてをブログにしてきましたが、

 

 そろそろ別の物もということで、今回はQFNについて。

 

 

 このQFNを見たことがありますか?

 

 スイッチング電圧レギュレータだそうです。(型番は消しています)

 

 基板のリワークをしていると比較的よく見るQFNですね。

 類似の形状のものは多くあります。

 

 この形のQFNが非常に大きな問題を抱えています。

 

 

電圧レギュレータQFN

QFNの裏面端子

 

 これ、先ほどのレギュレータQFNの裏面の端子です。

 

 一方基板の方はというと、、、

 

QFN部分の基板パッド

 

 随分シンプルですね。

 

 特徴は、

 部品底面に基板と接続しない端子が多数あるということ。

 

QFNの裏面端子 基板と接続する部分

 

 基板のパッドと接続する端子だけに赤で印をつけてみました。

 

 つまり印の付いていないところははんだ付けに関しては意味のない端子。

 

 これが問題を引き起こすんです。

 

 

 上の図は基板とQFNの断面図と思ってください。

 

 こんな感じで 

 QFNの底面の端子と基板のパッド、組になっていない箇所があります。

 

 

QFN実装の流れ

 

 さて、QFNを実装する際の流れを確認してみます。

 

 まずは基板のパッド上にクリーム半田を塗っていきます。

 

 

 こんな感じですね。

 

 パッドの位置に穴の開いたメタルマスクを基板に被せて、

 クリーム半田を印刷していく方法です。

 

 

 半田が塗れたら、部品を搭載。

 

 チップマウンタでひょいひょい載せていきます。

 

 

 そしてリフロー炉に入れて加熱し、半田が融けます。

 

 融けた半田が基板と部品を繋いで、はんだ付け成功!という流れ。

 

 

電圧レギュレータQFNの問題点

 

 加熱してQFNと基板のパッドを繋ぐ半田がうまく融ければ成功、良品です。

 

 しかし、この電圧レギュレータQFN特有の問題が出てくる場合があります。

 

 

 クリーム半田は融けた瞬間は液状です。

 

 そのため加熱中は基板上で融けた液状半田の上に

 QFNが浮かんでいる状態になります。

 

 この時半田が多すぎたり、融け方に問題があると、

 QFNの重みで潰された半田がパッドから逃げて広がってしまい、

 QFNの隣のパッドと繋がってブリッジしてしまうのです。

 

 この様にQFNの底面に

 はんだ付けと関係ない端子がむき出しになっているのは

 実装不良を引き起こす大変なリスクなのです。

 

 この底面の端子にどのような利点があるのかわかりませんが、

 この部品は現在も改善される様子なく使われ続けています。

 

 

QFNのリワーク

 

 工房やまだではこういった形状のQFNのリワークの依頼を受けています。

 

 基板実装をされている企業では

 多くのところがこのタイプのQFNでご苦労されているようで、

 かなり頻繁にご依頼いただく作業です。

 

 新品のQFNとの交換や、一度取り外したQFNを再利用してのリワーク。

 どの場合でもブリッジのリスクを少なく実装が可能になりました!

 

 

 QFN実装でお困りでしたら、

 ぜひプリント基板の駆け込み寺 工房やまだまで!

 

 基板の駆け込み寺 工房やまだ

 FAX:0238-26-2361

 Email:info@koboyamada.jp

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